オーディオルームのある家-Ⅱ
整備された郊外住宅地の比較的大きな公園の前にある50坪弱の敷地に建つ木造2階建て住宅です。
この住宅の2年前に竣工した、「オーディオルームのある家」と同様に、「プロ仕様のオーディオ機器のコレクションを好きなだけ並べて、大音響でも近隣に迷惑を掛けずに音楽を楽しみたい。」という希望を、建て主さんからいただきました。しかし、防音のために掛けられるコストが限られており、木造で効果的な防音を行う事が課題となりました。
「オーディオルームのある家」の建て主さんと同じ会社のご友人で、ご紹介をいただきました。
ローコストでの設計になりますが、オーディオルームの防音を第一に考えて、まずは敷地の一番公園寄りに配置し、地盤面より50㎝ほど掘り下げています。これによってオーディオルームの床から70㎝の高さまではコンクリートの基礎壁によって囲われ、同時に他の部屋よりも高い2.8mの天井高を確保することができました。コンクリート壁の上部は木造になりますが、3面を厚めの石膏ボード2重張りの防音仕様、スピーカーが置かれる面の壁は厚めの石膏ボードの上に構造用合板を張って、空間に木の温かみを持たせる工夫をしました。
オーディオルームに関しては、特殊仕様の電源コードや音に影響が生じる電磁波を可能な限り抑えるための配線器具など、細かなご希望に添った対応をさせていただき、理想に近い空間が実現できたと喜んでいただきました。
対面カウンター式のキッチンで、料理好きの建て主さんのため、ガゲナウ製のIHクッキングヒーターとバーベキューコンロを並べた、マニアックな仕様になっています。
オーディオルーム。右側の壁面が構造用合板張り、左側は壁一面の棚にして、外部への音漏れを低減しています。木造壁の内部には、断熱と吸音を兼ねた羊毛断熱材を入れています。
オーディオルームはキッチンの床からは70㎝低くなっているため、ドア前に階段を儲けています。ドアは防音のスチールドアで、エアタイト仕様のグレモンハンドルを採用しています。