ラビリンス 晴れ着の丸昌4階売り場

●設計事例の所在地: 
神奈川県横浜市南区
●面積(坪): 
29.9
●建物の種類(大分類): 
商業施設
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

連続するアーチの中に、衣装や小物のディスプレイが設置されている。見えない箇所からの間接照明で、アーチの形状を浮かび上がらせている。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

晴れ着の丸昌横浜店の一連の改修工事で、4階のドレスエリアとなる。1階と2階が和装であったのに対して、4階は洋装の陳列であるため大胆に雰囲気を変えることにした。
イメージしたのはロマネスク様式の修道院、ル・トロネのような重厚で質素な幾何学的空間である。ちょうど三列の売り場を構成できたため、まさにネイブ(身廊)と両側のアイル(側廊)から成るバシリカ式の平面と見なすことができた。そこに重厚な壁を作って連続した半円アーチを穿つことでロマネスク様式を模し、半円アーチの内部にハンガーパイプを渡して衣装を展示した。外周側も同様に半円アーチを穿ち、アプス(壁龕)のようなニッチ状の展示スペースとしている。

半円アーチの穿たれた壁面にはモルタル風の荒々しい塗装を施し、ロマネスクの質実剛健な空間を再現しようと考えた。一方で、金物は真鍮、扉パネルには真鍮色のダイノックシート、収納はウォルナット、打ち合わせカウンターの天然石風化粧板など、ディテールにおいては高級感を感じさせるようにしている。

今回は最初に空間全体をバシリカ式建築と仮定し、次にその中に衣裳を展示していくというプロセスで設計をした。衣装の隙間からは奥の売り場が見え隠れし、反復するアーチはさらに姿見で増幅され、小さいながらも心地よい迷宮性が生まれていると感じた。

その他の画像: 

設計者

ユーザー 堤由匡建築設計工作室 堤由匡 の写真
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Last seen: 2日 8時間 前
登録日: 2020-05-09 18:24