鮨 雲響
●設計事例の所在地:
中国広東省仏山市
●面積(坪):
30
●建物の種類(大分類):
商業施設
●メインの画像:
●メイン画像の説明文:
遊園地を併設する商業エリアの展望エリアに設計された鮨ラウンジ。周囲のけばけばしい景色に影響されない落ち着きと、高級感を醸し出すため、様々な黒い素材を組み合わせて漆黒の空間を作り、一部に金箔を施した。
●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など):
「そう云う大きな建物の、奥の奥の部屋へ行くと、もう全く外の光が届かなくなった暗がりの中にある金襖や金屏風が幾間を隔てた遠い遠い庭の明りの穂先を捉えて、ぽうっと夢のように照り返している。(中略)私は黄金と云うものがあれほど沈痛な美しさを見せる時はないと思う。」(谷崎潤一郎 陰翳礼讃より)
広東省仏山市の商業開発区の展望タワー最上階を寿司ラウンジへ改装することになった。眼前の消費社会を象徴するような煌びやかな光景を眺めつつ、対照的に落ち着いた高級感を如何に作るか。我々は谷崎潤一郎の冒頭の文章を拠り所とし、室内のほとんどを黒い素材で構成して漆黒の闇を作り、その奥に屋外の光を捉えて浮き上がる黄金を想像して、これを「沈痛な美しさ」として見せることとした。
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