陽光の恵みを受ける都心の住宅|つばさの家
大らかな印象の外観は、家の中深くまで光を取り込むための大きな開口と深い庇が作り出したもの。都心の住宅密集地にあるので、空から採光を意識した結果、屋根はつばさを広げたような形になっています。
南北に長い敷地で、東西は隣家が迫って建っているため、家の北側半分には光が入りにくく、初めは、お施主様は建て替えではなく住み替えも視野に入れていました。「光がたくさん入る家」がいちばん大事なテーマでした。
お施主様よりいただいたコメントです。
「設計者選びの際、白崎さんの提案が気に入ったこと以上に、私達の提案はこれで終わりではありません。依頼主の方がお気に召すものが出来るまで何度でも打ち合わせ、何度でも作りこみます、と言って下さった白崎さんの誠実なお気持ちに可能性を感じ、私達も一緒にやってみたいと思ったことが、白崎さん達にお願いする一番の理由でした。」
住宅密集地にあり、地区計画上、耐火構造であることが求められました。また、近くを通る幹線道路からの遮音対策も考え、RC造(鉄筋コンクリート造)としました。RC造は木造と比べて柱間の距離を大きくとれるので、大らかな生活スタイルの建て主にふさわしいスケール感を出すことができました。
冬は陽光を家の奥まで届け、夏は強い日差しを家の外で遮るために、大きな開口と深い庇、そして、家の中心にコート状のルーフテラスを設けました。家の中心にルーフテラスがあると、そこから下に光を落としていくことができるのです。
RC造のメリットや建て主の要望を収斂していった結果、屋根や天井が「つばさ」を広げたような形状となり、大らかな家族を表現するのに相応しいものとなりました。
「つばさ」を仰ぐと、周囲から覗かれる心配なく空が垣間見え、住宅が密集しているとは思えない「のびやかな」空間に仕立て上げることができました。
私達が最初にいった言葉、「私達の希望の家は、風通しがよくて、空気が綺麗で、陽の光が沢山差し込む家、アクティブな子ども達の笑顔が溢れている家、出掛けたくなくなってしまうような居心地のよい家です。」これだけ聞いたら、それって具体的にはどんな家?って思ってしまうのが普通だと思うのですが、白崎さん達は、「OK!そういう家ね!」ってまず言って下さって本当に話しやすかったです。
私達の好み、生活スタイル、家族の歴史など丁寧に丁寧にヒアリングし、少し先の未来から人生設計を一緒に考えながら、私達のこれからの生活を形にしていく、設計に落とし込んでいく。お二人の聞く力、設計力はすごいと思いました。
白崎さん達お二人だからこそ織りなせる絶妙のバランス感覚、デザイン性と機能性を持ち合わせた家、女性目線の動線や収納等もがっつり工夫されていて、それでいて遊び心があり繊細でしなやかな主張を感じることのできるすっきりした家に仕上がりました。コストや素材にまで細やかなご配慮をありがとうございます。最初のワクワク感が形になり、希望通りの住み心地のよい家となっています。
アプローチから見た外観
玄関。正面の和室の床の間を、玄関の飾り窓にしている。
南側に面した吹抜けのリビング。
リビングからダイニングを見る。上方の窓はルーフテラスからの光を取り込むため。
階段から光が降り注ぐダイニング。
キッチンの隣にワークスペース。中庭を設けて自然光が入るようにしている。
手元が隠れるタイプのオープンキッチン。背面の収納は大型の引き戸付きで、使い勝手がよい。
ルーフテラスからの光を取り込む階段。
子供室から廊下とルーフテラスを見る。全開放できる引戸で廊下と仕切っているので、空間が開放的になる。
バスコート付きの開放的な浴室