北本 旧中山道の家

●設計事例の所在地: 
埼玉県北本市
●面積(坪): 
72坪
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

三人家族と祖母の二世帯住宅。
建主の要望は、将来的な長いスパンで、子世代、孫世代へと世代を超えて住み継ぐことのできる家。
敷地は旧中山道に面する場所で、並走するJR高崎線、北本駅と鴻巣駅の中間に位置する。街道は古くから地域の発展と人々の生活の軸としてあった。敷地の奥には竹林が広がり、南側は飲食店の駐車場、西側は住宅、正面は交通量の多い街道と、周囲に晒された視線の多い雑多な雰囲気を持つ場所である。
都市的な要素のこの場所で世代を超えて住み継ぐ家として、二戸の住宅と、街に面した開放的なピロティで庭を囲う「開かれた中庭」を持つ平屋の住宅を考えた。

全体構成は共用エントランスとしてのピロティから、中庭を中心に各部屋を数珠つなぎに配置している。諸室が雁行しながら中庭を囲うことで、中庭には大きな庭と小さな庭のような特性が生まれ、住戸同士は直接見合わず、部屋に応答した小さな庭を望むことで、なんとなく互いの気配を感じ、「間接的に見守り合う住まい方」が生まれることを目指した。 「開かれた中庭」によって少し公共的な装いを持つ住宅が、変わりゆく社会や将来的な家族構成・用途の変化を受け入れ、街の風景とともに未来へと住み継いでもらえる家となることを期待している。

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

雑多な周辺環境の中で、周りからの視線を気にしない豊かな住環境を求めていた。

依頼者があなたに依頼した決め手: 

たくさんの検討模型やCGパース等での検討によってイメージの共有を行った点。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

中庭との関係性を丁寧に設計したことで2世帯のなんとなく見守り合う関係性を実現できた。
仕上げはなるべくシンプルにまとめ、中庭の緑が内部へと連続するように心がけた。

依頼者の声: 

竣工から一年たち、中庭を望む開放的な生活が行えている。構造もしっかりと計算していただいているため、前面道路の交通量が多いが、車・トラック等の振動は感じなく、静かな環境で暮らすことができている。抑揚のある木の天井に映り込む中庭の緑と光がとても気に入っている。

その他の画像: 

設計者

ユーザー 洲崎洋輔建築設計事務所 洲崎洋輔 の写真
オフライン
Last seen: 1年 2週 前
登録日: 2023-06-14 17:14