趣味を楽しむ高台の家

フルリノベーションハウスのキッチンから見たリビングダイニングです。耐震性を保ちながら和室とリビングを一つにして広い空間を確保しました。無垢のフローリングで優しく温かい床にして奥には奥さまご希望の薪ストーブを配置しました。煙突は吹き抜けを通り2階まで暖かくなります。
耐震性を保ちながら各部屋の動線を使いやすくすること。非常に多趣味(陶芸・ロックミシン・ボルダリング等)のため電気窯やオープンな趣味部屋、高台からの眺望を優先した浴室などやりたいことが多くどうすれば纏められるかを思案しておられました。
私を含めて3件の設計・工事業者のコンペをされ、弊社案でご採択をいただきました。
ご希望の内容に規制をかけず、漏らすことなくプランに盛り込んだことで依頼を決定いただきました。他2件とは全く発想が違っていて依頼者様の想定を超えていたとお伺いいたしました。
常々、耐震性を担保するためにプランに制約をかけたりせずに、自由な発想でプラン計画を行いその後詳細計算で耐震性を確保していくようにしております。また設計に時間をかけてじっくりお話を伺い、実現化していく姿勢を評価いただけたのかと思います。
おもちゃ箱のように多くの希望があふれておられる依頼者でしたので、階段の掛け替えや吹き抜けの設置など構造まで触るプランニングを行い、夢を実現してまいりました。増築した眺望の良い浴室に重い信楽焼きの浴槽を設置するため、間知石擁壁上の地盤に負担をかけないよう浴槽の下に鉄鋼杭を打ち込んだり、シックハウスに対応するため漆喰や和紙・無垢板などをふんだんに使用しました。

家の外観は変えず塗装ではない本焼杉を外壁に貼り、将来カフェを営みたいというご希望でキッチンから道路が見える窓、木製玄関ドアを入ってすぐに土間キッチンへ入るよう計画しました。左の小屋は陶芸用電気窯置場です。

玄関を入ると正面に陶芸作品を飾る棚があり、右奥がリビングダイニング、右手前が土間キッチンへのドアになります。

リビングと和室の掃き出し窓の外にはデッキが広がり、2階まで続くボルダリングがあります。デッキからの眺望も最高で上には可動テントを配しています。

眺望用に増築した浴室には信楽焼きの浴槽が埋まっており、そのまま外に出ることもできる掃き出し窓になっています。腰から上の壁は水に強い能登ひばの無垢板を張っています。

かけ替えた階段横にもボルダリングの壁、2階床には依頼者様のご希望で下が透ける強化ガラスが入っています。

階段横の吹き抜けに薪ストーブの煙突があがっています。吹き抜け周りの手摺は趣味本を入れる本棚になっています。

階段を上がったところのオープンな趣味スペースには陶芸をするときの水回りがあり、奥の壁はマグネット塗装をしています。柱や梁は既存を現しにして高さを出し、天井扇で対流をするようにしています。

家の中で最も眺望が良い2階の和室角はどうしてもガラスにしたいとのご要望でしたが、家の構造上非常に重要な耐力壁でしたので、ステンレス製の筋交いを入れて計算を行い窓にしました。左の掃き出し窓は浴室上のバルコニーに出れます。