大磯の家

北側外観写真
大磯の高麗山から派生する王城山のふもとに建つ21坪の小さな店舗併用住宅。
南に相模湾、北に高麗山を背負う豊かな自然の残る湘南発祥の地でもある。
山と海を繋ぐ場に建つ住宅。住宅下部、庭となる土にも意識を向けた設計としている。
土中環境改善のため布基礎を採用し、床下には土間コンクリートを打たず、土を残した床下には焼き杭、藁、枯葉、籾殻燻炭、竹炭を敷き、土間となる部分には焼き杭、藁、枯葉、籾殻燻炭、砕石を下地とし、その上に呼吸ができる三和土仕上げとしている。駐車スペースには点穴をいくつも開け、藁を差し込み、玉砂利を敷き、庭の雨落ち(1階平屋部、2階雨どい)には杭を打ち、藁・枯葉・砕石を敷き、住宅の床下、庭と共に土中の空気と水の循環を促すことで良好な土中環境が生まれるよう施工している。
土中環境の改善からは庭木が健やかに育ち、そよ風がふき、山に降った雨が地中を通りしっかりと海へと流れ、健全な自然環境が保たれることに繋がっていく。たった一つの住宅からは大きな変化は期待できないが、このような視点の住宅、点が増え、線として繋がり、虫や鳥などの動物、自然環境への恩返しとなることを願っている。
1階店舗は人を迎え入れるためできる限り低い軒とし、屋根を美しく見せるため雨どいは付けていない。2階住居は1階から山に向かうように階段を上がりながら、山を望むことができる。施主の希望から、床座の居間、椅子座の食堂、寝室に向かい床レベルが下がっていく。山から海に向け標高が低くなるのを内部プランに反映する形としている。寝室から海を望むこともでき、視覚的にも山と住居と海が繋がる。外観は大磯の昔ながらの景観を意識し、庭木や建築の風景が街並みに寄与し、返景となることを意図している。今後の土、庭、建築の成長が楽しみであり、店舗が人々から愛される存在になることを願っている。