TIARA
美容室
自分だけの場所
TIARAとは花嫁が頭にかざすアクセサリー。
女性の一番美しい瞬間「ウエディング当日」のようなクオリティーをスタイルを
常に提供し続けるサロンというコンセプトからティアラベーシックが誕生し、
今回、2009年4月にそのコンセプトをさらに発展させる為に、「TIARA」を2店舗目として設計した。
今回の立地は、青葉区にある商業地域の中にあるテナントであり、ハイセンスなお客様が集まる
地域である為、よりオーナーのコンセプトを明確に打ち出せる店舗設計が求められた。
『「only one」私だけの場所という名のプライベートサロンに』。これは、オーナーの言葉である。
人々は、どの様な場所でも、自分の意識の中で境界を作り、自分だけの場所を確保している。
しかし、それは我々の廻りにあふれている壁や間仕切りなどの直線的なものではなく、自分の手足の
動きに追従するくらい、もっと流動的なものではないだろうか。
私は、そのいかにも曖昧な目には見えない境界を空間によって感じる為に、それぞれのセット椅子に
呼応した流動的な天井(iland)を計画した。
それぞれの「iland」は、あたかも自分だけの島のように天空に浮かび、
椅子に座った人々は「私だけの場所」を再認識するきっかけとなる。
また、「iland」は機能面に於いて、レフ板の役目を果たしており、全ての光はこの「島」より降り注ぐ。
さらに、降り注ぐ光にも変化をつけており、入り口よりセット面に向かう通路の光は、琥珀色の
柔らかな光で夕日、セット面は白色の爽やかな光で朝日を表現している。
そして、それらの光は、シャンプーブースに作成した2重天井に降り注ぎ、
その開口部分に設置した三角柱のガラスによってプリズム効果が生まれ、シャンプーブースに「虹」を
降り注ぐ。
この間仕切りの全くない空間にて、お客様が「自分だけのiland」によって「自分だけの場所」を感じて頂けることを願います。