1.5階建て住宅1のびのび子育ての家
「1.5階建て住宅」は、品質の高い木造住宅をローコストで提供するために、シンプルな設計を大前提とし、極限まで材料の無駄を省き、職人さんの手間も徹底的に合理化した『木と漆喰の家』です。つまり、この住宅のコンセプトは、『安かろう悪かろうのローコスト住宅』ではなく、『高品質なコストカット住宅』と呼んでいます。その代表的なポイントは、1、平面的、立体的形状をシンプルな矩形とする。2、リビングは平屋、個室は2階建てとする片流れ勾配屋根。3、間仕切りの少ないオープンな間取り。4、木材を経済的な規格寸法で使う。
マンションで暮らすお施主さんは、2人目の子供の誕生を控え、「子ども達の健康に対するシックハウスの不安」や「室内で子供達が走り回れない」などの不満が大きくなりました。そこで、一段決心をし、少し郊外の戸建て住宅への転居を決意しました。
そこで新しい住まいへの要望はとても明快でしたが、それらをローコストで実現する事が最大の課題となり、我々の提案する『1.5階建て住宅』のコンセプトに共感してもらい、家づくりがスタートする事となりました。
アーキネットデザインの企画型住宅の第2弾です。
今回のテーマは、「のびのび子育ての家」。家の中で走り回ったり、木登りをしたりと、周囲に気を使う事無くのびのびと子育てができる住まいです。また、広い庭では、花や野菜を育てるような家庭菜園も施主施工で創りました。
ほぼ仕切りのないワンルームの空間は、子供さんの成長とともに仕切りを作ったり、増やしたり、取り外したり、と、変化していきます。
「のびのび子育ての家」そのタイトルの通り、完成後数年を経て、子ども達の成長に合わせて成長を続けています。床の杉板は良い色になり、2階の子どもスペースには物が増え、庭にはお父さん手作りのウッドデッキや木塀が出来てきました。まだまだこれからの子育てに期待が膨らむ住まいです。
お父さん手作りのウッドデッキです。
ウッドデッキを覆うパーゴラには、夏場はこのような手作りシェードを掛ければ、涼しい日陰を創りだすことも出来ます。
玄関ポーチを覆う大きな軒下は、自転車置場にもなっています。
1階の天井の高いオープンなリビングは、『1、5階建て住宅』もっとも魅力のある空間の一つですが、ここでは子ども達の希望である「木登り出来る柱」がデザインのアクセントにもなっています。
リビングの東側に窓は、隣地からの視線を遮るため、このような横長窓となっています。
キッチンは、お母さんが全体を見渡せる様中央に配し、対面式としました。
キッチンの隣に配した「ファミリーコーナー」です。お父さんの仕事場だったり、子ども達の勉強場だったり、お母さんの家事場だったり、家族がその成長に合わせ自由に使う為のスペースです。
2階は、部分的には天井が低いですが、ご覧の通り視覚的印象としては、充分にゆとりある空間となっています。