巣箱の家
間口4.8メートル、面積17坪余りの敷地に、家族5人の家をローコストで実現しました。
5人家族の家をローコストで。
フツーの家はつまらないのでイヤ。
業務用のキッチンを入れ、子供たちと一緒に料理を楽しめる空間を。
趣味のクルマ、サーフィン、自転車、DJ機器を収納、楽しめるように。
建物を階段室を挟んで東西2つのブロックに分け、東側は駐車スペース、ダイニングキッチン、リビングを積み上げ、西側はユーティリティと4つの「ねぐら」を巣箱のように積み上げました。
「ねぐら」は高さが1.2メートル程の広い押し入れのような空間で、家族の成長に合わせて様々な使い方ができるように用意しました。ある時は寝台車の寝台のようだったり、かくれんぼをするような遊び場だったり、静かに読書をする書斎だったり、また大容量の収納だったりもします。
「ネグラ」には階段室に向かっていくつかの開口があり、東側の家族の空間から階段室越しにみると、まるで巣箱のようです。元気な子供たちが、小鳥やリスのように巣箱の穴から顔を出したり、階段室へ自由に出入りしたり。
用途を限定しない空間をいくつも用意したこの家には住みこなしていく楽しみがあります。ご家族とともにこの家がどのように成長していくのか。私たちも楽しみです。
外壁に無造作に開けられた大小様々な窓は、まるで壁にかけられた絵のように空や景色を切り取って見せてくれ、日々刻々と様々な表情を見せてくれます。
1階は玄関とホビースペース、そして水廻り。
断熱した基礎スラブを防汚処理をしてそのまま床としています。
ローコストでシンプルな空間を考えました。
室内はラワン合板仕上げ。
ザックリとした生成りのTシャツのようなインテリアが施主のイメージに重なります。
階段室の壁は黒板塗料を塗るための格好の下地になりました。
3階まで繋がる階段室が家族を気持ちを繋ぎます。
2階のダイニング/キッチン。
プロ仕様のキッチン。みんなで作って、みんなで食べる!
ダイニング/キッチンから階段室と巣箱を見る。
巣箱を構成する「ねぐら」からは直接階段室へ出ることも。
子供たちがまるでリスのように家のなかを自由に動きまわります。
巣箱に明けられた窓。
「ごはんだよ〜」の声に、3人の子供たちがそれぞれの窓から顔を覗かせます。
3階へ続く階段。
大きな窓がある明るい空間は、洗濯物を室内干ししてもバッチリ乾きます。
東西のボリュームに挟まれた階段室。
階段の両脇を少しだけ壁から離すことで、家全体を繋ぐ快適な空間になりました。
3階のリビングから階段室と巣箱を見る。
各スペースを区切らないことで、床面積以上に広がりのある空間を手に入れました。