大和町の家
南側に敷地境界線までアパートが迫り、西側と北側に接道する24坪余りの敷地で、特に道路斜線の制限が厳しく、どのように敷地のポテンシャルを引き出すか、時間をかけてお施主様と打合せを繰り返し、中庭を囲んで暮らす家を実現しました。
とにかくたくさんの荷物があるので、それらを収納できる家に。
家でお仕事をするご主人の仕事場と、趣味で絵を描く奥様の為に、外から直接入れるようなギャラリーが欲しい。
茶室を設け、茶会を開きたい。
ジメジメしない、暖かい家にしたい。
「一緒になって家作りを考えていけそうだったから」
というお言葉を頂きました。
奥様が喘息に苦しんでおられたので、幹線道路への抜け道になっている前面道路に対して開口部を制限して排気ガスや粉塵から室内環境を守り、また敷地境界線ギリギリに建っているアパート越しに暖かい日差しを採り込み、通風を得られるように、中庭を囲むようなプランを考えました。
周囲からは閉鎖的にも見えますが、どの部屋も中庭に面して配置されているので、明るく風通しの良い住まいになりました。
「この家に住むようになって、不思議と喘息がなくなりました!お友達からも「(健康的に)太ったわね」と言われちゃって(複雑・・・)。
キャラリーや茶室の他、外部にも中庭をはじめ、ルーフテラスや「富士見台」など、いろいろ楽しい場所があり、少しづつそれぞれに手を入れて楽しんでいます。」という嬉しいお言葉を頂いております。
床を持ち上げる事で出現するご主人の仕事場。
床下に秘密基地のような執務空間が隠れています。
椅子に座るとちょうど中庭の緑を楽しみながら仕事をすることができます。
全長9mにも及ぶアトリエ兼ギャラリーです。
半地下として天井の高さを稼ぎました。
通りからも直接アクセスでき、中庭に大きく開いた半外部的な空間にしました。
寝室と連続する水廻り。中庭に面した気持ちの良いサニタリーです。
年を重ねたときの生活利便性を考えた間取りです。
階段スペース。
1階の天井高さを抑えて通常より段数の少ない階段にしました。
「とても上下階を近く感じます」とのお施主様のご感想です。
廊下から茶の間方向を見る。
回廊上の空間で、家中のあちこちが「居場所」になるよう考えました。
茶の間からキッチンを見る。
屋根勾配を利用し、キッチン上部には収納があります。
中庭から光が注ぐ、明るい空間です。
茶の間から中庭を望む。
2階は、茶室以外は廊下を含めて基本的にワンルームです。
この家の一番「奥」にある茶室。
ルーフテラスからは「にじり口」でアプローチできます。