山中湖の別荘
築50年を超える中古別荘を買って、リノベーションしようというプロジェクト。
冬でも利用できるよう薪ストーブを設置し、設備を現代化しながらも、ノスタルジックな雰囲気を残したデザインを心がけました。
冬でも遊びに来れるよう、薪ストーブを設置したい。
和室は読書室にしたい。
キッチンと浴室は老朽化が激しいので一新したい。
既存の浴室には、入り口に大きな段差があるので、両親に安心なようにバリアフリー化したい。
昭和30〜40年代の雰囲気を醸し出せれば嬉しい。
既存の建物の持つ雰囲気を尊重しながら、老朽化した設備関係の刷新を中心に、派手な操作を避けて計画しました。
20帖の広間は部屋を明るくしたいとのご希望から壁に白い珪藻土を塗り、天井と床は既存の仕上げ材を磨き上げ、補修するにとどめています。
新しく据えられた薪ストーブは古い建物全体を、優しく暖かに包み込みます。
小さな和室は床の間と押入を取り去り、書棚に作りかえて読書室に生まれ変わりました。
浴室はタイルの腰壁と浴槽を取り去り、それらを檜で作り替えました。
また脱衣場と浴室とのレベル差を、床に檜のスノコを敷いて解消し、お年寄りにも安心で開放感のある空間にしています。
「薪ストーブの暖房力は強力で、就寝前まで暖房してから火を消して寝ると、朝まで家中がホカホカで、とても満足。
ヒノキの浴室はおじいちゃん、おばあちゃんにはもちろん、海外からの友人にも大好評です。」
というお言葉を頂きました。
メインの広間は、壁を白い珪藻土で一新し、既存の床を磨き上げ、傷んだ天井を補修しました。
この建物が建った当時の様子に想いを馳せられる空間です。
画面右側にチラッと見えているのはバーカウンターにもなる大きなダイニングテーブル。
別荘という非日常空間を演出するワンポイントです。
読書室に生まれ変わった和室。
床柱を残したことと、ちょっとレトロな照明器具が「昭和」を思わせる空間です。
読書室から周囲の緑を楽しめます。
まさに別荘ライフ。
ゆっくりとした時間が流れます。
キッチンは隣接する読書室や広間と違和感のないデザインを目指しました。
キッチンセットはシンプルで機能的に作り替えました。
浴室は浴槽を含め、腰下をヒノキで一新することで、総ヒノキ風呂へ生まれ変わりました。
採用したヒノキの浴槽は、ホテルなどでも採用されているお手入れに手間がかからないタイプで、お湯がやわらかく感じられます。
窓を開けると、山中湖のさざ波が遠くに聞こえるようです。