永田の住宅
北側外観。2階のボリュームが跳ね出して、その下がエントランスになっている。
敷地まで自動車が入れず、隣地との間に古い擁壁が有る事が難点でした。住宅では2階に広い居間を設け、庭や擁壁を合わせて設計して欲しいと言うご希望でした。
「(プロデュース会社から)6、7人の建築家を紹介してもらったのですが、コンペティションをやる事になり、3人に絞りました。栗原さんを選んだのは、熱心そうで、建築に対して造詣が深いと感じたからです。」
雛壇状に造成された住宅地に建つ、混構造の住宅です。隣地からの悪影響を受けないように1階の西側部分を鉄筋コンクリート壁とし、その他は木造の軸組みによる構造としています。1階の平面は、隣接する周囲の住宅に倣った形で、北側の前面道路側に入口を設け、南側の庭に面して居室を並べていますが、開口は東西面には全く無く、南面は逆に全面開口として、平面の性格を強調したものとしています。一方2階は、内部に柱が無い7m×7mの大きな1室空間を設けて、居間と台所を兼ねた生活の主要な場所となるような部屋とし、南側にバルコニーを設けるために、そのヴォリュームは北側に跳ね出した形となっています。
「(竣工した時は)図面や模型が現実になったと、感激しました。(実際に住み始めてからは)堅牢な造りだと感じました。不具合が無く、良い家ができたと思いました。」
南側外観。1階は側面のコンクリート壁を耐震要素として、全面開口を実現。
1階ホール。玄関から階段へと至る、ゆったりとした場所。右側の建具は濃灰色。
階段より見た主室の天井。集成材の梁と構造用合板が現わしになっている。
階段踊り場より見た2階主室。主室は7m×7mの広さが有る、無柱の空間。
南側から見た2階主室。右側の窓は部屋の端から端まで連続し、眺望を妨げない。