T社東彼杵工場
大村湾に面する町の高台に工場群を建て、中央に公園を造りました。工事に伴って排出される土と石を用いて築山を築き、作業員の憩いの場としてデザインされた公園です。誰でも気軽に立ち寄ってお弁当を食べることができます。
工場に関しては設計(デザイン)監修という立場で臨み、敷地全体計画+将来計画とランドスケープデザインを行なうことを要求されました。
工場施設と設備は特殊な事情が複雑に絡むのでそれらの設計との連携がうまくできるかどうかという点がクライアントの関心事であったと思います。
旧来の友人であり、私が古い民家などに強い興味を持っていたことへの共感があったようです。
さらに実績を評価していただいた点、工場本体は基本的には設計施工であったため私の負担が比較的軽かった点、などだと思います。
工場本体に関しては、プレハブのパターンに合わせながら可能なことを引き出すやり方とし、ランドスケープに関しては地元造園業者と協議を重ねながら手作りで自然感を出す、という対照的な2チャンネル方式を同時並行的に行ないました。この方向性はクライアントの意図と合致していたと思います。
土や石などの廃材を利用して公園を作り、従業員や家族の方たちに憩いの場を提供することは、クライアントとの協働で実現しました。
満足されたようです。公園については子供たちがたいへん喜んでくれたようです。
喫煙や飲食のためのフォーリー。
風が強い土地柄なので、半地下にした。中に石のベンチがある。
公園に散りばめられた巨石
工場棟のエントランスホール
メインの工場棟西側外観
チョコレート色を部分的に挿入することで金属パネルが生む単調さを破っている。
適度な緊張感がもたらされる。
予想以上に石が多く出てきた。
ここは小さな石を集めたところ。
手前の道路は敷地全体の中心軸を形成し、将来は手前側に拡張される。
巨石群が一定の間隔をあけて大きな円弧を描いている。
中心軸となる道路と石の円弧が微妙に交錯するようすは神と鳶しかわからない。