Sideriver
毎年、河川敷で盛大に行われる花火大会。この大きな開口とそれに繋がるバルコニーはその特等席でもあります。
家づくりを始めるにあたって、まずハウスメーカーをたくさん見て回ったのですがピンとくる家に巡り会えませんでした。ある時、二人が家に望むことを別々に紙に書き出してみました。何となく似通ってるはずだと思ったいたのに、まったく違っていて、愕然としました。
よくあるパターンかもしれませんが、機能に注目する夫と、見た目重視の妻、という二人でした。その後、雑誌や本、インターネットにある写真や情報を材料に、私たち二人が望む家像を探っていきました。
提案して頂いたプランが際立っていたのは、住むイメージが強く湧いたという事です。図面と模型を見ると、家が実際に建ってそこで自分たちが生活する様がありありと思い描けました。
そこには、私たちの考えるかっこ良さと住み易さが、完全に両立しているように思えました。その時のプランから大きく変更することなしに完成にこぎつけています。
そして、プランもさることながら、実際に会ってお人柄がお話しやすく、信頼出来そうだったということも決め手になりました。ホームページも拝読してしていて、建築に対する情熱もよく知っていましたので、親近感のようなものも抱いていました。
LDKと水周りを2階に配置した逆転型のワンルーム空間で、階段を中心に据え、その両側に居室を配置しています。階段を単なる通過交通の場と考えずに開放的に造り、光の伝達経路と言う意味を持たせるために、これらのスペースとはポリカーボネート板を使用して仕切り、外壁面に設けた開口部から差し込んだ陽射しがポリカーボネート板を通して拡散し住まいの内部を明るく照らし出します。
狭小住宅は出来る限り仕切らない事が空間を広く感じさせるポイントにもなります。
木は、構造でも意匠でもあります。木の、合理的に使えるところをとても気に入っていました。心配していた木の表面の傷も、気になったのは最初だけでしたね。
以前は、ここよりも狭いハイツに住んでいたので、光熱費が心配でしたが、実際は2割ほど少なく済んでいます。
花火が見える大きなデッキは、たっての希望で、竣工後、初めて夏、身内とともに満喫することが出来てとても幸せでした。しかし、去年は雨で川が増水して中止になったので、とってもガッカリしました。
外壁については、随分早い段階で素材についても調べて決めていました。黒い家って熱くないですか?ってよく聞かれるんですが、実際はそういうことは感じません。冬場、帰ってくると本当に我が家は温かいな、と思うのですが、2階がリビングだからかもしれませんし、光や熱、空気の流れなどの設計がきちんとなされているのだと思います。夏は風がよく抜けるので、少しクーラーを掛けるだけで過ごせます。
生活の主体となるLDKを2階に配置しました。
写真の奥には階段室を配置しています。階段室の屋外面に設けた開口部からも明るい陽射しが差し込みます。
階段室の両側に居室を設け、階段室から射す陽射しをお裾分けしています。
LDKの大きな開口から望む河川敷の長閑な風景