裏の裏は表の家
前面道路から:北側に面したやや暗い商店街の通りに路地奥の南側の日差しが感じられるようになりました。
「貸店舗併用」「広いテラスと一体のリビング」「高い天井」「朝から夕方まで日当たりと風通し」「古いレンガ倉庫を改装したアパートメントのようなイメージ」「アイランド型の調理台」などなど
雑誌を見て連絡をしてきて下さいました。その後敷地図と簡単なご要望を伺い最初に提示したプランを大変気に入ってくださり依頼して頂きました。
商店街に面した貸店舗と貸家を貸店舗及びオーナー住居として建替えました。
前面道路は駅至近の生活道路で北側の薄暗い通りに人通りも車通りも多く、以前は道路ギリギリに店が並ぶ建物であったので、歩行者の溜りと南への抜けを持たせるために1階3店舗の間に路地を設けました。路地奥の門扉を抜けると住居エリアになり、外階段でアプローチする住居と店舗部分は上下で分離させました。
鎌倉景観地区でもあり施主も素材感を大事にされていたので、屋外はALC版を基本に押出成形セメント板やスチールを用いモノトーンでまとめました。また、屋内はアメリカで生活経験のあるご夫婦拘りのレンガやスチール・木・塗替えのきく塗装の壁仕上げといった素材感と暖か味のある仕上がりとなり、結果的に、内~外、表~裏の対照的な二面性のある住宅となりました。
現在は植栽帯に緑も入りやや殺伐とした通りに少し潤いが出せたように思います。
実はお施主さん一家は着工の直前に1年間の海外赴任となってしまい、工事中はメールやLINEを使って打合せを重ねました。竣工の時期に奥様とお子さんだけ一時帰国されてお引渡しとなりましたが、ご本人たちの拘りの部分をうまくまとめてもらえたと言って頂きました。
LDK:お施主さんが選ばれた拘りのレンガ壁とスチールの階段によってこの家の雰囲気が決まりました。
アイランド型の調理台と照明:奥様が当初からご要望されていた分厚い板の載った調理台の上に
ご主人がネットで見つけてきた直径60cmの特大ブラケット照明が非常にマッチしました。
キッチンもスチールのフレームと木の造作家具で奥様がやはりネットで見つけてきたステンレス
タイルとうまくマッチしました。
書斎:ご家族で使われる書斎として長机と本棚を設えました。
1階店舗の路地
1階店舗