そらまどのいえ

●設計事例の所在地: 
神奈川県横浜市
●面積(坪): 
27坪
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

①「そらまどのいえ」は南側隣地に東西に長いアパートが建っていて南からの日射と通風を得難い条件でした。そこで南側アパートの影響を受けない2階壁上部の高窓から日射と通風を得るよう考えました。都心の住宅地では2階レベルまでは隣家の影響で風があまり流れていません。ですが2階屋根上の高さには1年を通じて安定した風が流れています。その安定した風を得ながら建物内部の圧力差を利用した自然換気も促すよような高窓です。高窓の上には夏の日差しは遮り冬の日差しだけを取り入れる庇を設けています。

②建物北がは暗くなりがちです。「そらまどのいえ」では暗くなりがちな北側に駐車場と玄関までのアプローチを設けています。そこで南側からの陽ざしを北側に導きながらデザインを整える縦格子を設けました。縦格子には杉を高熱処理したエステックウッドという材を使用しいるので再塗装などは不要です。

③縦格子は南からの陽ざしを反射させてバルコニーを明るくするという効果もあります。また通風を遮ることなく風を通すという役目もあるのです。「そらまどのいえ」のバルコニーは単なる物干し場ではなく休日は家族で朝食を取るなど有効に活用できるような広さを確保しています。ですので北側からの視線を遮ぎるという役目もあります。

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

南側アパートの影響、奥様が将来ピアノ教室を開きたいという希望があり、予算の中でピアノ室を確保できるか。

依頼者があなたに依頼した決め手: 

フィーリング

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

・耐震等級3
・熱損失係数 Q値2.04W/m2K
・夏季日射取得係数 μ値0.031
・エネルギー性能 50.84GJ
・年間ランニングコスト 110000円
・木造2階建て 延床面積88.61m2

依頼者の声: 

想像以上です!!
とメールいただきました。

その他の画像: 

①前ページで説明した高窓です。
 南側隣地のアパートの影響を受けることなく最高と通風を得るための窓。窓の大きさは冬の日中に採光だけで部屋を暖める事のできる大きさになっています。またその高さは夏の夜間に開放しておけば放射冷却した空気を室内に溜めこんで朝方涼しい部屋とすることができる高さとしています。天井は高窓からの採光を遮る事なく、また天井面を明るく照らすために片流れの形状を採用しました。

②手前のLDKに対し階段室を挟んだ南側は子供室です。
 LDKと子供室は床高さが80cmの段差(子供室のほうが高い)となっていて、子供室の床は隣家2階より1m高い設定としました。このことにより南側アパートの屋根上を流れる通風を引き入れることができるので子供室⇔LDKの南北通風が可能となります。また80cm下がったLDKから南側子供室の窓から見えるのはアパートの屋根上の空となります。

③写真右の小窓は冷蔵庫上に位置するものです。高窓だけでは若干足りない採光量を付加し、キッチンで熱せられた熱を排熱するための窓でもあります。

環境デザインではありませんが、写真左は納戸でその上はロフトとなっています。ロフトに上がると高窓から見えるのは空だけ。お子さん達が一番好きな場所となっているようです。

①高窓から入った太陽光はLDK北側の壁に当たり反射して室内を照らすよう考えています。
②太陽光を遮ることなく導く片流れ天井

③通風で南北の窓はとても重要です。
 東京や神奈川の多くの卓越風(最も確立の高い風の方向)を取り込みやすいのが南北であり、風上と風下の窓を開けることで通風量が10倍になるからです。

④休日に家族で朝食もとれるバルコニーに面した窓は熱損失の弱点ともなってしまいます。また窓ガラスは表面温度が下がり不快感を与えるものとなるため2ヶ所の窓面に連続したカーテンで遮熱できるよう木枠を連続させました。デザイン上のアクセントとしても考えてます。

①高窓から入った太陽光はLDK北側の壁に当たり反射して室内を照らすよう考えています。
②太陽光を遮ることなく導く片流れ天井
③バルコニーは休日には家族で朝食をとれるよう広めで屋根付きという設計としています。南北通風だけでなく料理を運ぶ動線にもなっています。

①「そらまどのいえ」平面の中央には階段を配置しました。
 階段の南側と北側で床段差を設けたスキップフロアです。
 
 踏板だけの階段は上階からの光を下階に落とし、上下の通風を可能にするものです。できるだけ開放的な印象を得るように手摺はスチール丸棒の単純な形状としました。

 階段下の小さな引戸の奥は床下収納スペースなのですが、3歳のご長男の大好きな場所となったようです。お子さん は小さな場所が大好きなんですよね。

リビングソファースペースには通風窓を設けています。風は人の居る場所を流れてこそ清涼感を得ることができます。大きな窓は冬の冷輻射による体が冷えてしまうので適度な大きさの通風窓です。

寝室には家族で寝ることができる造り付ベッド台を設けました。写真手前左は引き出し収納。中央は長物を収納できるようにしています。北側窓は2階まどとの南北通風で夏はクーラーなしで涼しく就寝することができます。防犯性も考慮して窓外には通風シャッターと設けています。

設計者

ユーザー 感共ラボの森 森健一郎 の写真
オフライン
Last seen: 2ヶ月 2週 前
登録日: 2012-07-24 10:26