高岡の集合住宅第Ⅲ期
高岡市内の大規模集合住宅の最後を締めくくるⅢ期工事。
市中心部を貫く目抜き通りに面しているので、道路に対して徹底的に閉じることをテーマとしました。
我が国の都市計画的欠陥に対するささやかな抵抗のつもりです。
大規模な団地となるので、近隣住民と自然に交流が生まれるような空間を考えていました。
そのために、誰もがぶらりと立ち寄ることができる中庭と、通り抜けを作りました。
第三期はその玄関口にあたる計画でしたが、無事に初心貫徹することができました。
同じクライアントの下で、これまで幾つもの計画を手がけており、信頼をいただいていました。
クライアントの意図を汲みながら、期待を上回る提案を積極的に行うように心がけていましたので、その姿勢を高く評価していただいたものと思います。
中庭や通り抜け、といったパブリックスペースは儲けにならないので敬遠されがちですが、全体の利益とのバランスで実現できたことがよい成果だったと思っています。
また第三期工事は、しっかりした中堅ゼネコンが請負い、よき現場監督に恵まれたことが幸運でした。
ちいさなクレームの話もまったく聞いておりません。
大規模のマンションでは珍しいことです。
おかげさまでひきつづき依頼を頂きました。
大きな道路は、交通公害・コミュニティの分断・景観の劣化を生み、町にとってよいものではないはず。
道路=発展・賑わい、という錯誤に対する答えは積極的に閉じること、でした。
エントランスホールと外階段
ブリッジの下をくぐると第Ⅰ期・第Ⅱ期へと続いています。
避難経路であるブリッジは全体のゲートでもあります。近隣の子供たちのよきトレーニングコースにもなっています。
エントランスホール
全体の俯瞰
スロープは自転車で上り下りできるようになっています。
トレーニングにはちょうどよいようです。
内部のような外部階段の吹抜
住戸内部
住戸内部