高岡の集合住宅第Ⅰ~Ⅱ期
第Ⅰ期~第三期まで続く大規模な集合住宅。
第Ⅰ期は、北・南・西の3棟をコの字型に配置しています。
これは北棟部分の妻側の写真。
北棟は中廊下形式にして北側に低層棟を飛び石状に配置しています。
北側隣地への光・風・眺望を配慮しています。
デベロッパーとして容積限度いっぱい建てること、十分な駐車場を確保すること、が最重要テーマでした。
しかしそれさえ満たせば、設計者側からの提案を歓迎してくれました。
そこで、分譲型集合住宅に欠けているパブリックスペースを充実させて、住民間のコミュニティを育む場を作ることを提案しました。
サインカーブ型中廊下形式+ピロティ下駐車場という手法を用いることによって、高密度でありながら中庭を設けることが可能になり、さらに通り抜け路地が貫く全体計画を提案したこと、だと思います。
近隣への配慮とコミュニティの醸成に関しては、どの程度関心を抱いていただいたのか不明ですが、心意気を買ってくれたのだろうと思います。
従来ならば建物以外は駐車場だらけになってしまう民間デベロッパー型分譲マンションですが、
部分的に高密度化することによって中庭を設け、通り抜け路地を設けることができました。
通り抜けは上下に波打つような形状としたので、子供たちがいつも遊んでいます。
通り抜けに沿って、自然の巨石を一定間隔で並べていますが、これも子供たちの遊具になっています。
間合いが作る「場」が人の行為を誘う重要な要素になっています。
とても満足そうでした。
景気がよかったせいもありますが、工事中の早い段階で完売していました。
何より第三期まで継続して依頼されたことには感謝しています。
北棟を北から見る。
低層に見えるようにしました。
サインカーブ状の中通路を挟んで南北に住居が並ぶ。
北陸は降雨量・降雪量が共に多いのでガラス屋根を設けました。
西側の玄関棟
中庭と北棟。
2つに割った巨石の間に外灯が立つ。
これが敷地全体を貫いています。
北棟のエレベーターホール
中庭を囲む南棟と西棟
第Ⅱ期全景
第Ⅰ期と第Ⅱ期に挟まれた中庭は、一部が人工地盤になっています。
人工地盤の下から見上げたところ。
メゾネット住戸の内部
中庭や通り抜けではいつも子供たちが遊んでいます。
近所の中高生も通り抜けを利用してジョギングしているようです。