仲手原の家(木造3階建・ガレージハウス)
起伏の変化が激しい住宅密集地。もともと母屋の庭であった部分を敷地分割し、そこに子世帯の家を計画した。
南側の家は一段高い敷地で建物も近接してはいるものの、歩道を挟んでいるため通風は確保でき、東南方向には視界が抜けている。
ここに愛車(ポルシェ・スピードスター)のためのビルトインガレージをもつ、コンパクトながらも明るく開放的でくつろげる家を計画した。
北側の母屋へ陽当たりを配慮する必要があり、さらにこの地域の3階建ては日影規制の対象となることから、影のできかたをコンピュータ上でシミュレーションしながら配置や形状を決定した。
雑誌やWEBで見たこれまでの作品を気に入っていただいており、ある程度の信頼をいただいていたことに加え、計画地下見の際に「いい家になりますよ」お伝えしたところ、この一言で迷い無く依頼を決められたそうです。
※設計の基本コンセプト
スタイリッシュな若い夫妻とクルマが映える家にしたいと思った。
シンプルでモダンな中にもやさしさやあたたさをプラス、コンパクトながら明るく開放的でくつろげる家。
※間取りの特徴と工夫した点
東南方向の光と視界の抜けを期待してLDKのデッキ側を全開口の吹き抜けとした。この吹き抜けがシンプルな空間にメリハリをもたらし面積以上のゆとりや開放感を生み出している。
3階建てではあるが2階建て並の高さに抑えるとともに、2階をセットバックしてデッキにしたことで母屋にも東南方向からの午前中の光が射すように配慮した。
趣味性の高いクルマはそうそう毎日乗るものではないが、日常的にクルマを愛でることができるよう玄関を入った通路部分はガラス張りとした。ベッドルームからもロールスクリーンをあげれば好きなときに好きなだけ愛車を眺めることができる。
※外観のポイント
白を基調としたシンプルな形状に大きなガラス面、プライバシーを守るデッキ手摺の木製ルーバーがアクセントに。
ジャバラ型のアルミ製雨戸を流用したガレージのシャッターは、シンプルなファサードを得ることができたと同時にコストダウンの効果ももたらした。