やはぎの家

●設計事例の所在地: 
千葉県千葉市
●面積(坪): 
81.74㎡(24.68坪)
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

ゆるやかに傾斜する、成熟した住宅地に建つ、若い夫婦の為の住宅です。
生活の場、子育ての場、愉しみの場、交流の場、仕事の場など、これからお二人の人生の時間を包み込めるよう、家中の至る所がお気に入りの場所になるような家をつくりました。
~LDKという間取りの既成概念に捕われず、いくつもの場がありながら、家全体が一続きに感じられるような空間作りを目指しました。

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

・リビング/ダイニング、キッチンを家族が集える場所にして欲しい。
・リビング/ダイニングは用途を特定せず、自由に家具を配置できるようなフレキジブルな空間にして欲しい。
・家具をあまり置かなくてもよいような空間にしたい
・狭くてもよいのでタタミスペースが欲しい

・キッチンは広々と調理や盛り付けができるように作業台を設けて欲しい。
・キッチンの近くに食材などを収納してパントリー的に使える収納が欲しい。
・キッチン周りは食器などを十分に収納できるような作り付けの棚が欲しい。

・いつでも日の光を感じていられるよな空間にして欲しい。
・通りや隣家からの視線は遮りたい
・敷地東側は景色が良いので大きな窓を設けたい
・屋根の垂木は現しにして欲しい
・ガレージを設けて欲しい(可能であれば密閉できる空間で)
・広めのウッドデッキが欲しい
・洗濯物や布団の干せる十分なスペースが欲しい

・階段はリビングに隣接するなどして個別の空間にしたくない
・子供スペースは個室にしたくない
・寝室は寝るだけの必要最低限のスペースでよい
・寝室に隣接した大きめの収納(ウォークインクローゼットが欲しい)
・内装は塗装仕上げにして欲しい

などなどです。

依頼者があなたに依頼した決め手: 

以下、依頼者さまに書いて頂きました。
「ヒヤリングにじっくりと時間を掛けて、こちらの意見の意図をしっかりと汲み取ってくれた点。メールなどで疑問点などを問い合わせた際の返信が早く丁寧な点。図面だけでは想像のしづらい部分を模型やスケッチで丁寧に説明をしてくれた点。メリットだけでなくデメリットに対する説明や、金銭的に無理な要望、実現の難しい希望などに対して包み隠せず誠実な回答を貰えた点。」

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

依頼者のご要望と、こちらの捉え方とのギャップを摺り合わせるため、必要に応じて図面、スケッチ、模型をご準備して、とことん打合せやご説明を重ねました。

依頼者の声: 

以下、依頼者様に書いて頂きました。
「当初から単純な「広さ」を求めるのではなく、空間的に魅力のある家にしたいと思っていました。
家族が集まる場所や一緒に何かを楽しめるスペースを第一と考え、主寝室をタイトに作り子供用のスペースもオープンな作りとなりましたが、どちらも天井高が高く単純に面積では表せない気持ちの良い空間になりました。
逆に「チューブ」スペースは天井高が低く内装の仕上げ色と合わせてとても落ち着く空間となりました。この空間はじっくり仕事や勉強ができるだけでなく、セカンドリビング的にも使えるだけの広さがあります。
階段の踊り場に隣接するタタミスペースは3畳ほどしかありませんが、座ったり寝転んだりするのには十分な広さでこちらもとても落ち着ける空間となりました。
全体的に、横方向の「面積」ではなく縦方向の「高さ」を有効に使って面白い空間ができれればと思っていましたが、完成してみて改めてその視覚的な「広さ」を実感しています。
現場が近かったこともあり、頻繁に現場を見学させて頂いたことで「家づくり」の過程を間近に見ることができ、実際に作業をされている方と信頼関係が築けたのみならず、尊敬の念すら抱いてしまいました。
一生ものの買い物が少しづつ形づくられている過程を間近に見ることは、安心と満足に繋がりました。
ただ、素人だと図面だけでは完成した様子が想像しにくいというジレンマもありました。
その都度模型や手描きのイラストなどでイメージを補って頂けたことはとても助かりました。
特に空間的な「広さ」や「明るさ」は内装塗装(白色仕上げ)をする前と後ではかなりイメージが変わりました。そのあたりも経験豊富な建築家に任せていれば安心できると思えました。」

その他の画像: 

東側の外観。特徴的な開口部がチャームポイントです。

車庫の上部を利用した広々ルーフテラスです。
植栽を配して空中庭園にすれば、ティータイムを楽しんだり、テントを張ったり、ビニールプールで水遊びをしたり、楽しみは尽きません。

1階広間全体を見渡したところです。
天井を高く取り、間接照明を使って、落ち着ける空間をつくりました。
大きな窓は、取付ける位置や高さを注意深く検討し、プライバシーを保ちつつ、外の景色や光をたっぷりと室内へとり込めます。

角度を変えて。1階広間の北面に配置したキッチンを見渡したところです。
大きな調理台とキッチンセットをシンプルにレイアウトし、壁面全体にたっぷりと収納を用意しています。

西側からの光を広間にとり込む中2階。たたみ敷きのカクレガ。

中2階から広間を見返したところ。
中2階レベルは階段の踊り場と同じ高さにあり、車庫の屋根を利用したルーフテラスと繋がります。

2階にある2つめの広間。夫婦の部屋とこどもの部屋を繋ぐ家型のチューブです。
東側の借景を楽しみ、風を感じながら仕事や趣味に没頭できる屋根裏部屋的な空間です。

こども部屋から家型チューブの出口を見たところ。視線が届くところと繋がるところをつくり、家族の空間とあいまいな関係にしています。こどもが大きくなったら仕切ることもできるようになっています。

夫婦の部屋から家型チューブを見返したところ。この部屋はベッドを置く最小限の床面積ですが、高さ方向の空間を豊かにすることで、広々と感じられる気持ちの良い寝室になっています。天窓から見える空が美しいです!

オープンハウスの日、お客様が途切れた隙に一休みする私たち設計スタッフと、工事を担当した工務店・職人諸氏。感慨に耽っています。

設計者

ユーザー 星設計室 一級建築士事務所 星裕一郎 の写真
オフライン
Last seen: 9ヶ月 3週 前
登録日: 2012-07-24 10:29