拭き漆で甦る大和棟

●設計事例の所在地: 
大阪府羽曳野市
●面積(坪): 
65.83
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

300年経つ大和棟の母屋をリノベーションしました。たたき土間は珪藻土に小上りもやり直し越前から漆職人を呼び拭き漆を施しました。構造体も全て耐震性を上げ、シロアリ被害にあった柱梁は入れ直しています。左の和室は一体としてコンサートや作品展の出来るギャラリーとして生まれ変わりました。

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

目視できるほど柱が傾いていたので耐震性を向上させ、古い良さを生かしてほしいとのことでした。

依頼者があなたに依頼した決め手: 

伝統家屋や技術・自然素材などに精通しており、デザイン的に現在的な要素を取り入れることができる。また構造や工法を勘案したうえで耐震性をUPさせることができることだと思います。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

図面をおこすため詳細まで家屋調査を行いました。そのうえでリノベーションプランを考えプレゼンを行いました。建材は檜・杉・漆・漆喰・珪藻土・植物性塗料など出来る限り自然なものを用いました。古い材料に馴染み新しい空間を構成するよう気を配りながら、材料と色を決めていきました。

依頼者の声: 

ご依頼者様は非常にお喜びいただき、日々この空間の中で住まうことを楽しんでおられます。
竣工後も良きお付き合いをさせていただいております。

その他の画像: 

奥座敷が群青壁だったので、それを基本に加賀の群青壁を再現しました。手前の襖はクライアント様が合わせて京唐紙をオーダーし表具屋に貼ってもらっています。

群青壁の奥座敷です。今回茶室として使えるよう炉を切りました。

元々あったおくどさんに絵を飾れるように漆喰壁を塗り直しました。腰のなまこ壁調の陶板は色合わせをして岡山で焼いてもらいました。

元女中部屋が倉庫になっていたので、全面的に手を入れ応接間にリノベーションしました。丸い梁は既存の梁です。中央の京唐紙の額ありきで設えを考えています。

正面玄関へ向かうアプローチから応接間の額が見えるよう配した。

母屋に合わせガレージ門屋を新築しました。格子戸を二枚とも引き込むと車を入れることが出来ます。

母屋の台所から続く生活屋は構造のみ残してリノベーション。間にあった井戸を新しいキッチンから見えるようにデザインしました。

上部の梁は既存です。ダイニングからテラスを通して中庭が見えます。

生活屋のトイレ。飾り棚が潤いを与えます。

生活屋の洗面。洞穴のような曲面は壁から天井に掛けて和紙を重ね張りしています。表具屋ならではの技術です。

設計者

ユーザー 有限会社 設計処草庵 中原 賢二 の写真
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Last seen: 9ヶ月 2週 前
登録日: 2012-07-24 10:27