引戸の家
マンション住戸の寝室と廊下の間を壁で区切るのではなく連続引戸で仕切りました。連続引戸を開けておくと、午前中に寝室の窓からの光が廊下まで届き、通常閉鎖的になりがちな住戸内廊下に、光と開放感が与えられます。
夫婦と2人の子供の世帯が一般的な間取りの中古マンションを購入しました。キッチンが閉鎖的だったり、和室が区切られていたりと、家族のライフスタイルに合わない部分があり、改修することにしました。開放的なLDK、玄関脇のクローゼット、リビングに面したワークスペースを希望されました。
学生時代からの友人であり、大手設計事務所での実績を知っており、住宅を検討する際に相談されました。最初は土地と新築住宅で検討しましたが、良い土地に巡り合えず、中古マンションのリノベーションに踏み切りました。物件探しのアドバイスも行っています。
築18年のマンション住戸のリノベーションです。寝室と廊下の間の壁を撤去し、10枚の連続引戸を挿入しました。引戸は開いても閉じても邪魔にならず、少しずつ開け閉めでき、周辺環境との繋がり方の調整弁となります。これにより、廊下まで自然採光したり、子供の成長や気分に応じた使い方ができる、自由度の高い空間になりました。
お施主様は子供の様子を見ながら在宅ワークできる環境を希望され、リビングに面してガラス引戸で仕切られたワークスペースをつくりました。家族の様子を見守りながら引戸の開閉で音の繋がり方を調整できます。
限られた空間でも、そこで過ごす人同士が様々な距離の取り方を選択できる、繋がりつつ離れられる家を実現しました。家で寛ぎ仕事もする、これからの住まいのあり方を提案しました。
「玄関を入ってすぐ目に入ってくるタイル貼りの伸びやかな廊下と連続引戸。この、人を招き入れる美しい空間が大変気に入っています。寝室と廊下が一体になり、家全体に風が通って心地良く、引戸を開けておけば子供の居場所が分かり満足しています。」
左手に連続引戸。廊下は玄関から同じタイル仕上げとすることで、日本の町家の通り土間のように、伸びやかで開放的な空間を目指しました。
連続引戸を開けると、午前中は寝室から廊下まで柔らかい自然光が届きます。子供部屋の本棚は廊下に向けた飾り棚にもなります。
連続引戸を閉じれば寝室のプライバシーを保つことができます。
元々あった和室を一体化し、広いLDKを実現しました。
お施主様要望のリビングに面したワークスペース。子供の様子を見ながら仕事ができるようにガラス引戸で仕切りました。
オープンキッチンからリビングがよく見えます。
洗面室の床は、廊下とキッチンと同じタイル仕上げとして、連続性のある空間を実現しました。ミラーキャビネットと洗面カウンターは製作しました。
庭から見た夜景です。照明は調光・調色ができるため、くつろぐ時間と勉強や仕事をする時間で使い分けることができます。
【AFTER】改修後平面図
【BEFORE】改修前平面図