府中武蔵野台のマンションリフォーム
築16年3LDK+和室の中古マンションをこだわりの空間にリフォームしました。
15年前の自邸のマンションリフォーム(吉祥寺のsoho-築35年・中古マンションのスケルトンリフォーム-https://kaiin.kentikusi.jp/jirei/1613/)での経験も活かして設計しました。
クライアントは夫婦+子供2人の4人家族で2LDKの分譲マンションにお住まいでした。
お子さまの成長とともに今の部屋も手狭になり、注文住宅を建てる土地を探しておられました。
頂いたメールには「私の希望条件が、公園や森に隣接している「借景」ができる土地の為、今回見つけた土地の様に、敷地内に傾斜があったり、古い既存の擁壁があったりと、大手ハウスメーカーが"嫌がる"土地の為、概算見積もりすら断られてしまっている現状です。
そんな中、建築家紹介センターのWEBサイトにて、鈴木賢様が設計された
「Simple Box House-擁壁一体型のコンクリート打放3層箱型住宅-」
を拝見し、ご連絡させて頂きました。
(広さ以外は、まさに私がイメージしていた家でした!!)
https://kentikusi.jp/dr/book/yasui/k-yoheki 」
とありました。
土地情報を頂き何度かメールでのやり取りの後、顔合わせの打合せでご要望を伺って後日図面と模型をもとにファーストプレゼンを行いました。結果としてその土地での計画は残念ながら断念することになり、いくつか他の土地での検討を重ねていくことになるのですが、最終的にはご夫婦それぞれの実家にも近い中古マンションのリフォームを選択されました。それまでのやり取りの中で「新築戸建てからマンションリフォームに変わりはしたが、家づくりを是非鈴木さんに並走して頂きたい」と思って頂けたようでした。ファーストプレゼン時の模型も「リビングの1番良い場所に置いて堪能していた」そうです。
実施設計も終わり、多少の減額調整の必要はありましたが、施工者(クライアントが私どもを知るきっかけとなったSimple Box Houseと同じ監督さんに担当頂く事になりました)との工事契約の直前に一旦工事を延期してリフォーム前の状態で生活することをクライアントは決断されました。工期とローンの関係が主な理由でしたが、結果として約1年間実際に生活してみたことでご家族の要望の優先順位や使い勝手などの解像度が上がり、こだわりの空間の実現には必要な期間だったと今は思います。
住みながらのリフォーム工事はクライアントも施工者も大変だったと思いますが、自分たちのこだわりの空間が日々出来上がっていく様を楽しみながら過ごしていただけたようでした(とは言え、現場が落ち着くまでは避暑地でのワーケーションや両実家への一時退避等ご協力を頂きました)。
メールでお問合せを頂いてから約2年半後の完成となりましたが、クライアント・設計者・施工者との良好な関係を維持しながら楽しい「いえづくり」が出来たと思っています。クライアントからは「休みに入り、こだわり抜いた家での生活ほど楽しいものはないと実感しています。
いつもに増して、クリスマスや正月が楽しい季節になり、家族皆、感謝しております。」と嬉しいお言葉を頂きました。設計者冥利に尽きます。
日当たりの良いLDK:角部屋なので見晴らしも良好です。
左側はもとの和室部分。今回のリフォームでLDKと一体化しました。
西窓側の集成材のカウンター
システムキッチンとカウンター収納・吊戸棚は既存を利用しました。
和室の押入を廊下から出入りする「おこもりスペース」にリフォームしました。リビングからは「家型」の小窓を通して光と音を感じられる空間としています。
「おこもりスペース」の出入口も「家型」でデザインしました。
洋室(1)(主寝室)へ向かう廊下の左右にIKEA製の収納部材を仕込んでファミリークローゼットを計画しました。
洋室(1)(主寝室)には薔薇窓をイメージしたお化粧スペースとニッチ状の飾り棚をデザインしました。
玄関ホールから洋室(2)を見る:フルリモート勤務のクライアントのワークスペースです。web会議等の際には引戸を閉じて個室化します。
玄関収納は既存の家具を加工してカウンターを組み込みました。上部にLEDの間接照明を仕込んでいます。