中庭のある家(カーテン無用の里山暮らし)
里山の長閑な景色を背景に建つ住まいです。建物の西側(写真奥)には隣接して某企業の社屋が建ち、主執務室は2階にあります。このガラス張りの執務室からの視線を制御するために、建物の形状や屋根の形を工夫したプランとなっています。
新建材を多用し合理化された工業化住宅に、ご自分達が住むことに抵抗があり、又そう言った住宅は営業マンが考えるプランニングであることは、過去の経験から納得いかないものがありました。
ご希望としては、長閑なこの地で、のんびりとしながらも健康に優しい温熱環境的にも優れた家を望まれました。
住まい手さんは、元ハウスメーカーの営業をされていました。従ってハウスメーカーの住まいづくりが、どんなものかをよくご存知でした。大量生産大量消費の中で合理化されたされた住まいづくりには、どこか異を唱えたくなる部分を持ち合わせられていましたので、当方の無垢の木を使い、断熱や耐震性にも優れた自然素材の家づくりにとても共感いただいたことが決め手となっています。
隣接する某企業の2階主執務室からの視線を遮るために、大屋根の掛け方を工夫し建物はL型に計画しています。L型の南面する壁面に大きな窓を設け日射を取り込んでいます。又、L型の主屋と少し距離を置き2台分の車を停めることが出来る屋根付きの車庫を設けています。この車庫の一部は玄関へのアプローチの役割を持たせています。主屋と車庫の間に出来た5.0mほどの空間が中庭です。この中庭の存在が、生活に大きく潤いを与えます。四季に応じた季節の花木を造園業者さんに提案していただき、植えています。これらの花木は建物に色添えし四季折々に雰囲気を変化させます。
外観全景。車庫の一部が玄関へのアプローチにもなっている。
アプローチ。トンネル状のアプローチを潜り玄関に至ります。
中庭
リビングダイニング。大きな開口と庭に面した快適な空間です。
リビングダイニング。断熱性能が良いため、天気が良いと冬の窓際は、とても気持ちよく過ごせます。
1階のメインスペース
独立キッチン。水回りを集約して配置しているため家事動線はかなり短く効率的です。
吹抜からの景色。L型の壁が屋根形状に沿ってせり上がるため、隣地からの視線は全く気になりません。
子供部屋。ランマからも柔らかな明かりが入ります。
主寝室。目の前にある車庫が目隠しとなり、外からの視線も意外に気になりません。