京都松井ケ丘の家
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1階のダイニングから右手に繋がったリビングと中央の吹抜け。細かく部屋を区切るのではなく、開放することで生活する家族の気配を感じながら繋がりを作ります。
相談当初「ありきたりな住宅ではないものを計画したい」との要望。また「木材の香りの感じられる内装にしたい」「敷地が傾斜しているのでそれを活かせたら。」とも。計画当時はコロナ禍ということもあって外出することがままならない中、いかに住宅の中で楽しめるか、建物内のいろんな場所に居場所を作れるような空間作りを一緒に考えていました。
最初に出した提案に対して「面白いですね。土地の形状を活かした段々になっているところが気に入りました。自分たちが想像していたよりももっと良いものが出てきたのでビックリしました。」と頂きました。打ち合わせの中で多少の変更はありましたが、ほぼ当初の計画の通りに進み「親身に話を聞いていただけるところが話しやすいです。」と頂きました。
もともと緩い丘を切り開いた町の一角ということもあって敷地は少し傾斜していました。お施主様からもこの形を活かせたらという要望もあり、スキップフロアを採用することで1階、2階と階数によって完全に空間を分けるのではなく、中央の吹抜けを中心に段々に上がっていく楽しさを提案しました。構造体である木材を上手く見せつつ、無垢のフローリングやポイントなる木材の壁で木の香りを作り、そんなに大きくない面積でも十分に広がりと温もりのある住宅に仕上がりました。
ファーストプランの時点で「気に入りました。」との声を頂きました。
お施主様の要望とその語感に込められた希望をイメージ化することは、わたしたちの事務所が何よりも大切にしており、また得意としている部分です。
「敷地形状を活かしたスキップフロアの案は初めはビックリしました。想像していませんでしたが、すごくイメージが湧いてきて、素敵だなと思いました。」と喜んで頂きました。
わたしたち建築家に依頼して頂いた以上、期待を超えた提案をすることをモットーにしていますので喜んで頂けたことがわたしたちの喜びにもなりました。
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リビング側からダイニングとキッチンを見ています。ダイニング空間を広く使えるようにするために今回は壁付けのキッチンを採用しました。周りの木材と合わせ、白基調の柔らかさと清潔感を出しています。
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1階のダイニングから階段をあがって振り返り、子ども部屋を見ています。計画当初はお子さんはひとりでしたが将来を考えて2部屋にも出来るように計画。廊下で日向ぼっこが出来るような全体として優しい空間です。
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2階奥のご夫婦の寝室。プライベートを保ちつつ、窓から外部の雰囲気が伝わる位置に計画しました。大き目のクローゼットを完備し、衣類などが増えても対応できるように計画しました。
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子供部屋。面積は全体で10畳程度。家族はリビングとダイニングに集まるという事で、それぞれの個室は敢えてコンパクトにしています。天然木のフローリングと白ではない壁仕上で落ち着いた空間にしました。
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外観。ガルバリウム鋼板と天然の木材を合わせたデザイン。外観からは内部がスキップフロアになっているとは分かりません。