富士見台の家(平屋のいえ)

●設計事例の所在地: 
東京都練馬区富士見台
●面積(坪): 
25坪
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

この住宅は、練馬区内に建つ年配の方の住まいです。
この土地に建っていた2階建ての家を、多少狭くなっても使いやすく住み心地の良い家とすることが求められた家です。
主なご要望は、平屋建てで南面から入る玄関を設けるということ、
そして庭や門廻りはこれまでの姿を残すというものでした。
東西に細長く、西側に道路という敷地です。
南側に玄関を設けたいということから、道路からの玄関までのアプローチの正面に玄関ポーチを設け、これを物理的にも視線上も私的な生活スペースに対する止まりとする計画としました。
この南に張り出した玄関ポーチは、その高さを低く抑えることで南面する諸室への採光や通風を阻害しないようにしながらも、人を優しく迎え入れることを意図したものです。

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

「この住宅にお住まいになる方は年配の親世帯の方だが、設計打ち合わせの窓口は海外に在住の子世帯の方」
「設計はじっくり考えたいが、1年以内での完成を希望」
といった条件で、設計者の対応が可能かどうかお考えになっておられました。

依頼者があなたに依頼した決め手: 

まずはご要望の内容を伺い、敷地や現在お住まいのお宅の中を拝見した上で、基本計画案(複数案)を作成しました。
これを見て、「ほぼ希望が叶ったものであった」ということで、正式なご依頼を頂いたものです。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

年配の方のお住まいであることもあり、これまで住んでいた家の間取りを極端に変えないようにしながらも、
合理的な動線計画、諸室の配置を特に心がけるようにしました。
家で過ごす時間も長い年代でもあることから、居室の採光や通風ばかりでなく、道路や近隣の関係性からも
落ち着きのある住まいとすることも主な留意点でした。
プランは、日常を過ごすリビング・ダイニングを中心として、
その廻りに玄関とキッチン、主寝室、茶室が接するようにすることで、機能的で合理的なものとしました。
ところで、平屋はどうしても建築コストが割高になりやすいものです。
そこで、大きな家ではないこともあり、シンプルな形態で単純な架構の家とすべく前述の玄関ポーチ部以外は大きな切り妻屋根の下に各諸室を全て納めるようにしました。
また、「ヒートショック対策から、水回りを含めた範囲への床暖房の設置」、
「寝室と水回りを隣接させる」といったことを行ったり、
「冷たさを感じにくい床材として、桐の無垢材を床に採用」したり
といった工夫をした住宅です。

その他の画像: 

玄関。
三和土と上がり框との段差は10センチ。
段差にまたがるようにベンチを設けた玄関です。
正面は広めの軒下空間を確保した玄関ポーチ。
2方向からの採光による明るい玄関です。

玄関よりリビング・ダイニングを望む。

ダイニングよりリビングを望む。
リビングは障子からの柔らかな光の入る場所としました。
左手の窓の外は南庭、右手は玄関から入る引き戸です。

リビングより、その北側のダイニングを望む。
奥はキッチンです。
独立型のキッチンをご希望されていましたが、配膳台を提案し、
その部分に設けた引き戸(正面の青い戸)によりキッチン内部が見えないようにしました。
(これは、お住まいになった後になって非常に好評だったことのひとつです)

キッチン。
コストを抑え、さまざまなご要望に応える為、
家具屋さんに製作をしてもらったコの字型のキッチンです

キッチンからトイレ付のサニタリーを望む。
正面のサニタリーの奥はベンチ付の浴室です。
このサニタリーにはキッチンからだけでなく、寝室からも直設出入りが可能なものとしました。
左手はキッチンのバックカウンター。
右手の青い引き戸(配膳台)の先がダイニングです。

サニタリー越しに寝室を望む。
寝室の先は以前のままに残した南庭です。
明るい寝室とするため、建具や造付けの家具は、
床の桐材と違和感が生じないように桧材(白木)を用いています。

ダイニング脇に設けたお茶室を水屋越しに望む。
奥様の趣味であるお茶を楽しむお茶室件客間です。
明るいお茶室とする為、柱は桧材、天井は桐材を用いたお茶室です。

お茶室。
お茶室の北側は、床の間と仏壇置場です。
壁は漆喰塗、床の間はカシュー塗で仕上げました。

道路側の夕景。
門にかかる松の木も是非残してほしいというご要望に応えたものです。

設計者

ユーザー 中川龍吾建築設計事務所 中川龍吾 の写真
オフライン
Last seen: 1年 4ヶ月 前
登録日: 2012-07-24 10:09