ISEYA
川越の町の成立ちを都市計画的に見ると市役所近くの一番街の蔵造りの町並みが江戸・明治時代、川を利用していた物流が鉄道へとシフトする中、本川越駅(西武新宿線)・川越駅(JR・東武東上線)方向へ中心地が、時代とともに動いていった。これによりそれぞれの時代の建物が取残されていった。
川越は、駅から蔵造りの街まで平成から江戸までを建物で、タイムスリップすることができる町である。テーマパークではなく、そこには、人が生活しているということが重要だ。そして敷地は、大正浪漫夢通り(旧銀座商店街)という通りに面する和菓子屋である。名前の通り、大正時代をテーマにまちづくりに取り組んでいる通りである。かつての繁栄の名残りは建物のみとなっている近年、通りの名前を変え、観光客が来るようになってきている。 そんな敷地に新たな建物を建てる。
この通りは、2階建ての建物が、間口3軒程度の幅で建っているが、生活環境の変化で2階建ての1階店舗という形式は、限界があるということと、他の観光地化した都市との大きな違いは、そこで商いを営みながら住み続けている住宅という存在を通りに出現させることが、この町全体の特徴を形成していく上で重要と考えた。通常、住宅部分は、商いを生かするために犠牲になる場合があるが、商いを活かしつつ住宅部分に豊かな空間が生まれることを願い設計を行った。
屋根部分の木の梁を網代に組み、見上げた時その梁を魅せる事により、通りにアクセントを与え、人がそれを見て、お店に入ってきて、「親父、3階の屋根はどうなってるの?」「あれはね…..。」見たいな店と客とのコミュニケーションツールとしても期待している。
建物正面からの外観 昼間
お店の天井は、変則格子天井です。
キッチン方向
上部はポリカの欄間で奥まで視線が抜ける。
ロフトを通して西日が差しこんできます。
小屋組み