ROOF/M
キッチンよりリビングを見たところ。
右手の開口は大阪湾の方向に向かって設けられている。
開口の向こうにデッキ敷きのバルコニーが広がっている。
車好きで将来はアメリカのキャンピングトレーラーを買い、車内を書斎としても使いたい。
最低でも2台分の駐車スペースと車が眺められる部屋が欲しい。
奥様は将来美容室を経営したいので、そのためのスペースが必要。
予算に余裕がないので、自分で出来ることは自分でやりたい。
デザイン住宅を得意とする、住宅設計・施工の会社に相談していたが、予算の関係もあり、希望通りには出来そうになく困っていたところ、TVで放映された「House Outsider Art」を見て「ここに頼んでみたい」と思った。
南側隣地の地盤の方が高く、工事着手前であった南隣の住宅もこの家の敷地に接近して建てられることが予想された。
一般的には南側に庭を設けることが多いが、良好な眺望を得るためにも、この家では建物のボリュームは南に寄せ、北側に庭・駐車スペースを配置し、大きな開口を設けた。
最大限の駐車スペースを確保するため周囲の建物と同様に1階部分は東西南北のグリッドに沿って矩形の外形とした。
そのうえで真北方向から西へ25°振った斜めの軸を設定し、2階では北西に広がる眺望が得られるようにした。
1Fは真北方向に置いた大好きな車、2Fは北西方向の大阪湾のパノラマが眺められる。
天気のよい日は屋根に上ることも多く、りんくう花火大会の日には両親を呼んで屋根の上で楽しんでもらえた。
予算の都合上、自分で塗装をしたりして大変なこともあったが、きっちりとした工事をしていただいたなあ、と改めて思っている。
東側前面道路からみた外観。
外壁は杉板をガスバーナーで焼いたもの。
建て主、設計者、施工者が協働して約6000枚の板を焼いた。
西側道路から見た外観。
将来の美容院の入口になる部分。
階段から玄関を見下ろしたところ。
壁はラワン合板、床は構造用合板。
2階リビングから北側を見たところ。
北側開口は、直射日光が入らず(順光)景色を眺めるのによい。
ガラス戸は木製。
開口の向こうにデッキ敷きのバルコニーがあり、ハンモックが掛けられている。
ラワン合板を使ってローコストで制作したオリジナルキッチン。
キッチン上部からさらにダイニングテーブルまで伸びている照明器具もオリジナルのもの。
奥に見えるシーリングファンはアメリカ製のもの。
1階寝室の一角に設けられた書斎コーナー。
天井が一段低い部分は上部にバルコニーがあるところ。
1階の西側道路に面して設けられた予備室。
将来美容室として使用することを想定している。
床はタイル張り。
バルコニーの端に吊るされたステンレスのカーテン。
このカーテンを開けると、屋根に設けられた階段を使って、屋上へ上がれる。
食器や家具等気に入ったものを見つけては、旅行を兼ねて一緒に買いに行かれる、本当に仲の良いご夫婦。
屋上で。
屋上からの夕景。
りんくう祭りのときは、ご両親を招待し、食事を持ち寄り、屋根の上に設けたベンチに腰掛けてみんなで花火を鑑賞されたそう。