シノハラコンプレックス
敷地北西側から見た外観(夕景)
1階が歯科医院、2階が親世帯、3階が子世代(歯科医院を経営)という2世帯住宅+歯科医院というコンプレックスの建物でしたので、それぞれの機能面が明快でしっかりしていること、またホームエレベーターなどバリアフリー仕様をとなることも求められました。
加えて「親子2世帯間は、お互い干渉しない計画としてほしい」という要望もありました。
歯科医院については、外壁がガラスの外側にエキスパンドメタルを用いて、常に明るく開放的な待合室としたことや、2・3階の2世帯部は、上下階を明快に分離しつつも、外部螺旋階段でお互いのリビングスペースをつなげたことなどにより、「各階の機能がハッキリしながらも全体のつながりを感じる」といっていただき、その辺がある程度評価していただけたことではないでしょうか?
敷地が、JR宇都宮駅近くの商業地域にあり、もっと大規模な計画(賃貸部分を設けるなど)とすることも考えておられましたが、必要最小限の規模とすることになり、周辺の大きな建物に囲まれながらも、敷地全体に余裕を持たせる配置計画となったことが、この環境において魅力的な建物になったように思われます。
特に工夫した点としましては、2・3階の2世帯住居部分のほぼ中央に水廻りの換気も兼ねた外部の螺旋階段を設けて、お互いの気配を寄り身近に感じられるようにしたこと。
また、コストを抑えるために鉄骨造にALC版を用いましたが、モノトーンの色分けにより、ALC版が少しでもシャープな印象になるようにしたことも工夫したポイントです。
「1、2、3階の機能が明快であり、動線も明快な計画になっていて、建物全体の使い勝手が良い」
「周りは高い建物に囲まれているが、屋上利用もできて、建物中央部の螺旋階段は使うたびに楽しくなる」
「2世帯間は、お互い干渉しないが気配が感じられて安心」
といった感想を竣工後お聞かせいただきました。
北側外観。1階手前は建主さんの駐車場及びエントランスで、中央から奥が、歯科医院の患者算用駐車場とエントランス。
歯科医院エントランス内観。
歯科医院治療室。
2階(親世帯)ダイニング・リビング(サンルームと屋上庭園付)内観。奥が寝室。
2階和室内観。
2階(親世帯)リビングの内観。ダイニングとの境にある建具を閉めたところ。
3階(子世帯)内観。奥に外部螺旋階段が見える。
3階子供室内観。中の気配が分かるように、半透明のポリカーボネイト板を壁に用いている。
左が1階平面図・配置図。右が2・3階の関係図。