<風が抜ける家/bataさんの家>常陸太田市
●設計事例の所在地:
茨城県常陸太田市
●面積(坪):
110㎡(33坪)
●建物の種類(大分類):
住宅関連
●メインの画像:
●メイン画像の説明文:
東日本大震災で稲作を営む多くの方達の住いが打撃を受けました。少しでも早く対策が進むことが望まれます。行政なども見舞金に加え、地産材料を使う工事については補助金も組み合わせて、被災した方々の負担を軽くするようにはしていますが、景色を守る考えを持っている行政は少ないようです。茅葺だったであろう家が取り壊され、ヨーロッパ調のメーカー住宅が建ち並んでゆく風景に悲しい思いがする仕事場でした。
建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望:
茅葺だった農家の多くが本瓦屋根での葺き換えを行ってきており、震災の際は瓦の重みに耐えられなかったようです。
この計画では、大黒柱など構造体などの再利用も検討したのですが、予算の都合などの状況で新規の材料にしました。しかし、結局は以前より長く立派な大黒柱などで組むことが出来、丈夫で風通しのよい農家らしい日本の家としました。
依頼者があなたに依頼した決め手:
大手の設計事務所から、建て主さんが私達の事務所を教えて頂いたという所でご縁が始まりました。
●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など):
収穫物を大量に転がしておけるくらいの土間や洗い場、そして多くの親戚が集まれる仏間、とは言うものの使い勝手に応じて仕切り方で変化させられる間取り。
その他の画像:
水田を渡る風が心地よく家を通り抜けることを、いつもイメージしながら計画をしました。猛暑にも関わらず、エアコンが稼働しなかったのは建物の基本性能が高いおかげです。是非基本性能に着目して、機械に頼らない計画をこれからも実施して真のエコ住宅を広めたいと思います。
長い縁側は農家には大変必要なものです。
手前は玄関ですが、土間が右に抜けるように繫がっています。
尺寸法を持つ大黒柱、風を通すロフトと棟の一方を支えています。反対は6寸の夫婦柱がもう一方を支えています。