中庭|建築家の設計事例

とても謙虚なクライアントで、私への要望をためらってしまう傾向がありました。
私の空間デザインは、クライアントのお料理にはとてもかなわないということを何度申し上げたかわかりません。

旧中山道の風情の残る街区に計画した50代鋼板のご夫婦の対の住まいです。
敷地の中で一番環境のよい南西側にコート(庭)を設け、建物と格子状の塀で囲い、コートに対して大きく開いた計画で、太陽の陽射しを一日中感じることができ、窓を開ければ自然に風が流れていきます。

建物の中央に中庭を設けたロの字型プランで,親世帯と子世帯が同居する2世帯住宅です.
中庭が各世帯を緩やかにゾーン分けすることで,気配を感じつつもプライバシーが確保できるようにしました.

南に作った庭よりもどの部屋からも見ることができる中庭案を提案して植物や石の配置もきめ細かく決めて行きました。

 南北に長い敷地の形状を活かし 建物をプライベートゾーンの個室棟を南側に、リビングのある棟のパブリッ
クゾーンを北側に、「くの字」に配置。リビングからは視線が様々な方向へ伸び 空間に奥行感も生まれ

日高の家が竣工して6年が経過した様子です。
(雑誌取材撮影写真)

中庭を囲む形で洋瓦の切り妻屋根が数棟繋がった特徴ある形態の木造で、親世帯は平屋建て、子世帯は2階建ての二世帯住宅。息子家族の住居から介護が必要な両親の暮らしをそっと見守れるように考えたコートハウスは防犯プライバシー日当たり通風なども良好です。

住まいのデザインは、もともとある希望を形にする事も大切ですが、見つけられなかった価値を形にする事も大切な事だと思います。今回の場合、中庭でどんな楽しい事をするのかという所が、大きなポイントになりました

敷地は住宅地にあり隣地には住宅やマンションが建っています。
南側に庭を配置し、木造平屋建ての軒の深いシンプルな建築は四季のある日本の気候を素直に受け入れ、高い塀などを築くことなく周囲からの視線をゆるやかに逃がしながら移り変わる自然を取り込んだ住宅となっています。

縦格子の断面は四角い矩形ではなく、斜めにテーパーをとって前面の先端を細くしています。

手間のかかる加工なのですが、近くで見ても繊細な格子の印象が際立ちます。

また格子は細く、そしての間隔が密なほど繊細さが出るのですが、内部がどうしても暗くなってしまいます。

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