ナチュラル|建築家の設計事例

スペースの有効活用をするため玄関は1ヶ所ですが、階段の向きを変更して玄関から直接それぞれの生活空間へ分離できる動線計画とし、2階にキッチンと浴室を増設して、それぞれの世帯が独立した生活ができるようにしました。

アレルギー体質の家族に配慮して、できるだけローコストで、安全性の高い断熱材を採用しました。
無垢の板材と自然オイル、蜜蝋ワックスなどを使うことで、自分でメンテナンスしやすく、古くなっても風合いがよくなっていくよう工夫しました。

キッチン廻りのものをはじめ、仕事や趣味、衣類に至るまで、いろいろなものを収納するため、いろいろな奥行きの収納で部屋の外周部をぐるりと囲む事を提案しました。
収納の扉は窓の目隠しを兼ねているので、カーテンやブラインドが不要になりました。

ハレの空間(来客スペース)を南、ケの空間(生活スペース)を北に配置し、玄関を挟んで明確に分けることで動線が交錯ことを無くしました。ケの空間は憩いの場としてのリビングを中心に配置し、西に個室群、東に水廻りと主寝室を配置しました。

玄関は大きな土間とし、ご夫婦の趣味である自転車や釣り道具がおけるようにしました。
海側にコーナーで大きな窓を設け、海や緑の景色を部屋の中に取り込みました。
床はブラックウォールナットの無垢材、天井も木を表して温かみのあるインテリアとしています。

2階を建物いっぱいの壁のない広いスペースとし、法規制いっぱいの勾配天井として可能な限りの広さを確保し、メインの広間としました。ハイサイド窓と大きなトップライトを設けて明るさも確保し、なお床の開口から1階の各室にも自然光が届くようにしました。

依頼者は、他との差別化がはかれる建物を希望しておられましたので、建物としても目にとまって頂けるよう外観も工夫しました。

高木に囲まれたなかで建物が主張しすぎないように心がけました。お客様も多いので、玄関から2階への階段・吹き抜けをドラマチックにデザインし、外部ではなく内部に華があるよう意図しました。

周囲のオフィスビルや道路からの視線等からプライバシーが守られる家とするため、
外部には閉じて、中庭に開く家としました。
中庭は光を採り入れ、各室の自然な通気をはかると同時に、
上下階の各室の気配を感じることができるようにも意図したものです。

総工事費1400万円で循環式床下暖房や外壁の塗り壁も出来るだけ採用しました。もともと物を減らして大変スッキリとした生活をされていたので造作家具も収納も最低限で済ませることができ、24坪程弱の家でも広々とした生活空間が生まれました

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